わたしのステーション

受け継がれる、ものづくりの心。

2018.10.10

      

鈴木 あさ子さん 、りささん(川西市在住)

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ステーション5月号の「暮らしのいいもの再発見」で手作り石けんを紹介した「石鹸屋りーふ」さんのご自宅を訪ね、お話を伺ってきました。

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あさ子さん 織物の素材は昔着ていた着物や浴衣を再利用しています。布を裂いて織り、バッグやラグマットをつくります。着物の柄を工夫してバッグのアクセントにしてみたり、浴衣の自然な藍色を上手に合わせてグラデーションして何枚も縫い合わすと、リビングにぴったりなラグマットとして生まれ変わるんですよ。娘が出店するイベントで一緒に展示してもらうこともあって、親子揃って手作りを楽しんでいます。

りささん そうなんです!実は姉の石けん作りや私のパッケージなどのデザイン作りも、母のものづくりの影響が大きいですね。この家の漆喰の壁も手作りの延長で、DIYが高じて私が塗っているんです。

小さい頃から、「やりたい!」と思ったことは家族全員が進んで行動する一家です。

IMG_2409.JPG撮影・鈴木りさ

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あさ子さん 石けん作りも「作る」ことの大切さが自然と身について、はじめられたことかもしれないですね。我が家代々、私も母の姿を見ながら同じ思いをもって生活していたんだと思います。

DSC_0192_re.jpgりささん そもそも、私たち親子のものづくりや石けん作りに大きな影響を与えているのは、九州大分の祖母の存在が大きいですね。

小さい頃から母の実家の九州に遊びに行っては、祖母の手仕事を間近で見て、よもぎを摘んで天日干しし、自然の力で成長した植物の力を祖母から学んだように思います。本当に山奥の不便な場所ですが、そこには私だけの、とっておきの祖母との思い出と、大切な自然の生活が残っています。姉の作っている石けんには、今も祖母の住んでいた場所から摘んできたよもぎやユキノシタを使っています。

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DSC_1780.jpgDSC_1776.jpg豊かな自然と穏やかな祖母の暮らしは、私の生き方そのものです。我が家には、祖母が大切に使っていたほうきや、杉の踏み台、包丁などを今も愛用しています。

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あさ子さん 母に教えてもらった生活の知恵で、今は私から娘につながっていくがとっても楽しいですね。

りささん 石けんの材料になるよもぎなどの素材は、祖母が摘んでドライにしたものを使うことからはじまって、そうした昔からの土地や人とのつながりが、今の自分たちにも大きな影響を与えてくれていると思います。だから、できるだけイベントなどにも足を運び、自分のつくる物や大切なものへの思いをお客さんに伝えられたらと思っています。そうすることで、人とのつながりがどんどん広がっていき、そこから新しい商品が生まれたり、リピーターが増えているような気がします。

取材を受けてからも、「本を見ました」と『ステーション』を手に持って足を運んでくださるお客さんがたくさんいて、新しいつながりもできました。私たちの事を誌面で知って来てくださるので、石けんを販売するだけでなく、肌やアレルギーの悩みなどについても、自分たちの経験を交えてお話できるので、より絆が深くなるような気がします。

いろんな会話から、私たちも「もっとこんな商品をつくろう」というモチベーションにもなります。そういう意味でも、『ステーション』を通して、より多くの人と繋がることができて嬉しく思います。

あさ子さん 小さいころの娘たちは、姉のリカはおとなしく、妹は正反対の行動派でしたね。姉は肌が弱く、お風呂のお湯や衣服や布団など、工夫してできるだけ肌に優しいものを使うようにしていました。きっと辛いこともあったと思いますが我慢強い子でしたね。妹は逆で、のびのびとどこでも一人で行動しては、海外に一人旅をするようなタイプです。こんな二人が協力して石けん作りを始めて、多くの方に届けられるようになって、小さい頃から見守ってきた親としては本当に嬉しいです。

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いつも読んでいた『ステーション』に娘の記事を見ると、石けんを作り続けていくことでたくさんの出会い成長があるように思えて嬉しいです。これからも出会った方を大切に届けて行ってほしいです。

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DSC_1082 (1).jpg撮影・鈴木りさ

「大切なひとたちと、大切なものをつくる」ことを楽しんでいる鈴木さんご家族。思い出の品や、手づくりの作品に囲まれた生活、とっても素敵ですね。これからも、思いがいっぱい詰まった石けん、楽しみにしています!
石鹸屋りーふのホームページはこちら→http://sekkenyareef.sub.jp/