わたしのステーション

わたしの「宝石箱」をつくろう!

2021.2.18

      

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はらむらようこさんの暮らしの中から、整えていること、すっきりしたこと、そして気持ちがほっとしたこと、ときには新しい発見をみつけたことなど普段の暮らしで大切にしているエピソードを毎月ちょっとずつご紹介します。


-No.2-

アクセサリーBOX


昨年のステイホーム中に気がついたことがありました。
ステイホームを楽しもうとゆったりとした部屋着で過ごすと、リラックスして過ごすというより、単にだらけて1日が終わってしまった気分になること。数日は良くても、それが長く続くとおうち時間の余裕ができたのに鬱々とした気持ちも出てくるということです。
打開策はないかとあれこれと模索してお金をかけず、1人で、あっという間に、気持ちが明るく変わるものを見つけました。 朝起きて、顔を洗ったらすぐに、お気に入りのピアスをするようにしたのです。

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普段、家にいる時はアクセサリーをしません。お出かけした時も家に帰ったらさっさとアクセサリーを外すくらい家ではつけません。 なのに、朝鏡に向かってピアスをつけると気持ちが明るくなりスイッチが入りました。
「アクセサリーから元気をもらう」と著書でも紹介させていただきましたが、大好きなアクセサリーを着飾るためだけでなく、「自分のために装うこと」改めてアクセサリーの新しい魅力に気がつくことができました。
現実的に人と会うことが激減すると同時に、着飾るどころかアクセサリーをする機会からもめっきり遠ざかっていませんか? きちんとした感じにしなきゃと会う人のために付けていた方も多いと思います。
今だからこそ、本当に自分の好きなものを選べる時期かもしれません。 アクセサリーをつけること。をアップデートしてみませんか? その気持ちを後押しするために、あなたの、「宝箱:ジュエリーボックス」を作ってみましょう。
「ジュエリーボックス」は買うものと思っている方が多く、この提案はいつも驚かれますが、 作ってみたら思ったよりも簡単で、物作りとしても楽しく、自分らしいアクセサリーの付き合いができたと、喜ばれる提案の一つでもあります。

1. 持っているジュエリーを全部見てみよう。


さて、「ジュエリーボックス」をお持ちですか?
育児や家事の時に邪魔になるから、そもそもアクセサリーを付けることを忘れていたり、さほど持っていないから購入時の容れ物のまま置いているとか、学生の頃や社会人になりたての頃に買ったものがあったかもくらいの方も多くいらっしゃると思います。 ここで、肝心なのは、質や、量ではありません。
まずは、今ご自身がお持ちのアクセサリーを全て並べてみましょう。 小皿や、箱や、巾着の袋、整理用に小分けにしている袋などから全て出して、拭って綺麗にしてあげましょう。 冠婚葬祭用としているパールなども、特別視せず出してみましょう。

2. 好きなものから並べ直してみよう


たくさんのお客様宅で片づけをしていて思うのは、片づけが苦手でも、好きでも、男性でも、女性でも、どんな方でも、好きなものは、すぐに、無言で取り出せるということです。 また、意外かもしれませんが、「これは要らない。」も早いものです。一番大変なのは、実は、「迷うもの」なのです。 そして「この迷うもの」が総量の7.8割を占めるのです。
手放す方法としては、フリマアプリへの出店や、パーツを変えてリメイクしたり、リサイクルや寄付するなど様々な選択肢がありますが、判断するというのは勇気が要るものです。 片づけが時間がかかるのはそのためです。
また、アクセサリーは好き嫌いがはっきりしているアイテムの一つですが、贈り物でいただいたり、購入額が高額だったなどのために、 つける機会がないからといって簡単に手放せない難しいアイテムでもあります。 そのためにおすすめしているのは、とりあえず身にまとってみることです。 そして鏡で見てみることです。 「あ、可愛いな!」「今度使いたいな!」と少しでも思えば、ぜひ、置いておきましょう。 冠婚葬祭用のパールも、正装だけでなくデニムともよく合います。ぜひ身につけてみてください。
5秒以上迷うものは集めて、使っていない綺麗なハンカチなどにくるんで、あまり使わない場所に保管していいのです。捨てなきゃと思わないでいいのです。 わたしにも、そういうアクセサリーの置き場所があります。 無理をせずに、ゆっくりアップデートをすすめましょう。

3. アクセサリーの置き場所を考えよう!


アクセサリーの総量がわかりましたね。そのまま、元の収納場所に戻したくなると思いますが、次は、どこに置くと付けやすいかを考えていきましょう。

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自宅に個室がないわたしの場合は、このように、クローゼットの中で収納しています。服を着替えた最後に、画竜点睛のような感覚でアクセサリーを付けるからです。ジュエリーボックスの上に鏡を置き、一歩も動かずにピアスをつけやすいようにしてあります。
他にオススメの場所として、洗面室も良いですね。鏡も大きく髪の毛をセットするタイミングでアクセサリーも付けられて、引き出し1つ分にブラシや髪飾りと一緒にアクセサリーを置くことができ、便利です。帰宅時に、手を洗いながら指輪を取る方も、洗面所だとすぐにしまうことができますね。

4. アクセサリーは何に入れてもいい。


アクセサリーの収納部屋や場所、入れたい引き出しなどが決まったら、いよいよです。
その引き出しサイズに合う、ジュエリーボックスを作りましょう。 わたしのジュエリーボックスはこちらです。

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わたしは、骨董の小ダンスをジュエリーボックスに作り変えています。
骨董の小ダンスは見た目が気に入って学生時代に買ったものの、使ってみると引き出しが細かく仕切られすぎて、片づけのプロになる前のわたしには、使い勝手が悪く、何を入れるというわけでもなくただ積み上げられていました。
そして、アクセサリーは既製品のジュエリーボックスに入れるもの。という頭で、買ってきた物を使っていました。 既製品のジュエリーボックスを使ってみると、場所を取る割にすべて納まり切らなかったり、大き目のなアクセサリーが一切入らなかったり、蓋を上に開ける形状だったため、その上に何も置けず邪魔に感じたり、 そもそもジュエリーボックスが好きなデザインでなかったりで、結局あまり使われないアクセサリーが入ったまま、埃をかぶっていました。
結局は、よく使うアクセサリーは、適当に買ったトレイに鍵や印鑑と、ポケットに入っていた小銭なんかと共に、雑に置かれていました。
そこで、思い切ってジュエリーボックスを手放して、大好きだった骨董の小ダンスの引き出しをヒントにジュエリーボックスに変身させました。 ジュエリーボックスは作れます! あなたの好きだなと思う、小さな引き出しや、小箱はありませんか? 可愛くてとっておいたお菓子の入っていた缶や使っていないわっぱのお弁当箱なんかもいいと思います。

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どのアクセサリーにもいえることですが、お店のディスプレイのように、顔を上に向けてどんなデザインか一目瞭然にすることが大切です。わたしのアクセサリーショップを作る気持ちで作っていきましょう。
まず写真のように、布を箱に立体的に敷き詰めていきます。
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もし箱が縦5センチ×横10センチ×高さ6センチの箱ならば、フェルトなどの厚みのある布を、箱の幅に合わせて布の幅も10センチにカット。縦は8㎝くらいにしてみてください。それを図のように1/4分端から折り合わせます。

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ピアスの場合は、メラミンスポンジを敷きピアスを並べるだけです。
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手前の左隅はスポンジを低くカットして、ピアスのキャッチを集めて収納しています。購入時に付いてくるキャッチは色や形が様々ですね。裏側の小さなものといえ、左右異ならないようにと、そのピアスにそのキャッチを合わせてジップロックなどで収納されて面倒だと言われる方が多いです。
手芸屋さんや100円ショップには、ピアスのキャッチだけが販売されています。1種類が10個くらい入っています。わたしはそれを買い、どのピアスでも、全てこの同じキャッチを使っています。どのキャッチでも同じなので、探す手間がなくなり、出かける用意が、とても楽になりますよ。
また、購入したキャッチが、ブランドものだったり、18金なら保管し、それ以外は処分するようにしています。

時計の収納は、ふわふわの綿を敷いてます。置く時に気を遣わないでいいので、楽になります。
綿以外にも、好きだけど普段使いできないハンカチを畳んで敷いたりと、保管していたハンカチや布を使ってみるのも楽しいものです。

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ネックレスは絡まりやすいですね。
それを避けるためにプラスチックの保存袋に収納をされたりと工夫をたくさんのお家で拝見します。

station_0218k.jpgこのように壁にかけるのはいかがでしょうか?
クローゼットの壁に端材を打ちつけて、鍵にかけています。ずいぶんラフな収納ですが、出していることで、よく使うようになりました。また、見ているだけで楽しくなります。かつては、「もったいない」と、ほとんどしまい込んで使っておりませんでした。
特に冠婚葬祭用に購入していたパールのネックレスは、日常に使うのはなんだか良くないかなと思い込んでおりましが、箱から出して日常のアクセサリーと並べることで気持ちが楽になり、今では毎日のように使っています。おかげで日常だって、非日常なんだ。と、毎日がスペシャルなんだと思うようになりました。
ここでのポイントは
・釘1つに対してアクセサリーも1つ
・よく使うものから手前に
で収納してみてください。自然とご自身の好みが表れて楽しいですよ。

ピアスも、指輪も、ブローチも、時計も、顔を見えるように置いてください。

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これがポイントです。 正面が見えるとコーディネートのイメージがつきやすく、また、すべてのジュエリーが一目瞭然になることで 内心ちょっとこれは違うなと感じるものを手放す原動力になります。

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ここで大切なのは、アクセサリーを減らすことではありません。
開ける度に、あなたが幸せな気持ちになるようなものを作ってほしいのです。「ジュエリーボックス」でなく、『宝箱』にして欲しいのです。 そのために、今のあなたが好きなものだけ、集めてください。
著書でも紹介していますが、わたしにとってアクセサリーは、パワーをもたらしてくれるお守りと思って大切にしています。 少し憂鬱な日でも、開けるたびに「素敵!」と元気をもらって過ごすことができますよ。 ぜひ、お家の中でアクセサリーを広げて、毎日を明るくアップデートしてくださいね。

著書『「好き」から始める暮らしの片づけ』(ワニブックス)
コープこうべネットで見る こちら→

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2021年1月コーピーくらぶ通信では、はらむらようこさんの著書に多くのママさんからご応募いただき たくさんの投稿コメントもありがとうございました。また、少しずつコメントのご紹介もいたしますね。
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haramura (1).jpgはらむら ようこさん

生活デザイン研究室 こちらから

整理収納サービスを重ねるにつれ、家くらい自分の本当に好きなコトや物だけにしてあげたいと思いが募る。元デザイナーの経験を活かし、今の本当の「好き」を見つけ出し今へアップデートさせる独自の片づけ論をもつ。

好きな物だけだから自然と片づく。自分がアップデートされ楽しい。とファンが多く、予約の取れないアドバイザーでもある。神戸育ち大阪在住。

「好き」から始まる暮らしの片づけ  ワニブックス社から出版