クローゼットをとっておきの場所へ。着るコトをアップデートしよう。
2021.4.21
はらむらようこさんの暮らしの中から、整えていること、すっきりしたこと、そして気持ちがほっとしたこと、ときには新しい発見をみつけたことなど普段の暮らしで大切にしているエピソードを毎月ちょっとずつご紹介します。
-No.4-
クローゼット
アドバイザーのお仕事でクローゼットの片づけのご希望があれば、服のお買物提案から美容室同行までサポートしています。その度に、外見はもちろんのこと内面まで変化があるようで、毎日が楽しいと言われるお客様を見てきました。服は人を元気にし、自信を与える力強いパワーがあります。服は、心を一瞬で豊かにする魔法のように感じます。
そのため、クローゼットがすっきりし、使いやすくするだけでなく、好きな服を着て気持ちよく過ごしていただけるようにしたいと思っています。
着ることが楽しくなると、自然と片づけの習慣化にも繋がります。
わたしの服は全て合わせてもクローゼット幅1メートル程度しか持ってません。今の体型に合い、今の気持ちにも合う、好きな服だけしかない、清潔なクローゼットを開くと、しみじみ嬉しくなります。
過去は今の5倍は所持し管理に追われ、着る服がないと嘆き、服を買わなきゃと追い立てられていました。自称服好きが服に苦しめられてもいました。その経験からも、片づけのプロとしても、服の持つ素晴らしい力を皆様にも楽しんで使っていただきたいと思っています。
1.すべての服をハンガーに掛けよう。
服の収納はどうしてますか?
つい畳みたくなりますが、着物と違い洋服は立体裁断。ハンガー収納が向いています。
ハンガー収納がおすすめな理由は、吊るすことでシワにならず、全体量が一目で把握できることです。
さらに、着替えの支度が簡単になり、見過ごすことなく埋もれず着忘れがなくなり、コーディネートが楽になります。
衣替えは居住空間を効率的に使う日本の素晴らしい行事ですが、
着物のように季節の色や柄を先取りして風流を楽しんだり、季節によって着分けるのが決まり事とされているのに対し、現代の洋服は違います。カジュアル化し、一年中着られるタイプが多いですね。
その上、空調環境が整った現代では、夏や冬と寒暖で分ける必要が減っていると思います。
まだ多くの皆さんは、衣替えが季節ごとに習慣になっていると思います。頻度を減らしむしろ「半年間着る機会を失う事」と捉えてはいかがですか。
わたしの場合は、厚手のコートをクローゼットの隅に掛ける。くらいの1~2分で終わるとっても時短な作業量です。
2. おすすめ収納について。
収納スペースの上部は、ポールを使い服はすべてハンガーで吊るします。床には収納ケースなどを使い、下着、ファッション小物(ストール、タイツ、帽子など)ハンガーに向かない細々としたものを入れています。
収納ケースは積み上げず、ロングコートやワンピースの裾が当たらないくらいの高さまでに。押入れをクローゼット化される場合は、突っ張り棒を活用してください。バッグ収納は、立体的な自立する形のものは、クローゼットの上の棚に並べて置きましょう。わたしは小さく薄いバックが多いため収納ケース1段分に畳んで入れています。
また、クローゼットにハサミやリッパ-を置くのもおすすめです。首元がチクチクするタグをとる時にリッパーを使っています。飛び出した糸くずもハサミですぐに切れるので身だしなみもきちんと整います。
3.服の量を考えてみよう!
服を何枚持つか、でなく、家やクローゼットの広さに合わせて持ちましょう。「郷に入っては郷に従え」の感覚です。取り出し易くなるのでクローゼットの7~8割の量までにしてください。
クローゼットは家族の人数分でエリアを分けてください。自分の場所を決めたら、自分の分だけに。
家族それぞれの服の保管場所を分けて持つことで、家族の服の量を意識する責任感がうまれます。
4. 自分のセレクトショップを作る感覚で。
今の自分が好きな服だけを持ってください。今日着たいと思う服だけを。
自分の嗜好や、気持ちが表れる場所であってほしいです。
クローゼットの中は、どんな服が集まりましたか?好きな服だけになりそうですか?
ご自身の好みが表れていたら、楽しくアップデートができています。
具体的な服選びポイントも参考にしてみてください。
[色は?]
白黒の無彩色、ビビットな鮮やか系、柔らかなパステル系、
ナチュラルなベージュ系、紺、グレーの落ち着き系
[素材は?]
ツルツルのシルクやポリエステル系、ふわふわのダウン系、
さらっとした綿、もこもこふっくらのウール)
[首の形は?]
丸首、V首、ボートネック、襟があるなし
[装飾具合は?]
無地、柄、フリルなど装飾はあるか、ボタン、襟、ファスナーの有無
わたしの好みも明快に表れて、服選びを楽しんでます。
・柄なしの無地。
・白と黒とくすんだピンクからベージュ。
・柔らかなテクスチャーか張のある生地。
・丸首、首の詰まった形。
・肩位置は、オフショルダー。
・シルエットはワイドでボリューム感あるもの。
・冬でも軽い感じの服が好き。
・見落としがちなのが、重さ。です。
・透け感のある見た目にも、物理的にも軽い服が好き。
・フードのデザインは好きですが、重く肩が凝るのものは少ないです。
服は買うより、捨てる方が自分を知ると学びが多いです。今後につなげましょう。
5.服を捨てることに罪悪感を持つ場合は。
汗を吸いやすい、又は防寒になると、機能性で選ばれたなら、ファッションではなく被服、道具として選ばれたということです。多少よれて、くだくたになったとしても、問題なく切ることができるでしょう。
ただ、美しい、かわいい!と思って買われたなら、それはファッションです。毎年流行が作られているファッションへの最適な動詞は、着るでなく、味わう。だと思っています。
なんだかもうあまり可愛くないと感じているなら、もったいないと責めないであげず、ご自身の流行感度が高い証拠とほめてあげてください。
それは例えるなら、出がらしたお茶のように香りもなくなったかな・・・と充分味わった状態です。きっと、次のシーズンになれば、素敵と思う服に出会えるはずです。
わたしは若い頃には良い服を長年着たい憧れがありましたが、
歳を重ねるにつれて、服くらいは新しい物を着たい思いも強くなってきています。
服だけを丁寧に扱うより、自分の感性も丁寧に扱う暮らしがしたいです。
それを目標に罪悪感のないように服を買っています。
服をどうしても捨てられない場合は、ぜひ、保管してください。
わたしにもあります。この餃子のような形の鞄に入る量まではOKとして置いています。
それは高い場所に置いて、毎日を邪魔しないようにしてくださいね。
6.服の量の数値派、ファッションが好き派、更にブラッシュアップしたい場合は他人の視点を借りてみる。
子どものためならいいけれど、自分に手間やお金をかけることをちょっぴり申し訳なく思う方は多いです。
年を取ればとるほど、もう着て行くところもないしなど言い訳を探してしまう。
豪華にする必要はないけれど、クローゼットを開けるたびにああ素敵だな、今日も1日がんばろうと自分が励まされるような気持で支度ができるのは幸せなことです。家族もきっとそんなあなたの様子は嬉しいことだと思います。
それでも、なかなか自分のためには、と躊躇される方には、奥の手で、こんなアドバイスをすることもあります。「尊敬する他人に見せなければならない。を想像してみてください。」好きなアイドルでも、実際の友だちでも、良いです。明日、その人を家に招待し、クローゼットを見せなくてはならないと想像してみてください。と。日々機嫌よく生きることは優しさでもあると思います。服を整えて、これからの暮らしをますます楽しんでいただけたらと思います。
著書『「好き」から始める暮らしの片づけ』(ワニブックス)
コープこうべネットで見る こちら→
はらむら ようこさん
生活デザイン研究室 こちらから整理収納サービスを重ねるにつれ、
「好き」から始まる暮らしの片づけ ワニブックス社から出版