夏越しの祓(なごしのはらえ)で清々しく夏を迎える。
2021.6.25
はらむらようこさんの暮らしの中から、整えていること、すっきりしたこと、そして気持ちがほっとしたこと、ときには新しい発見をみつけたことなど普段の暮らしで大切にしているエピソードを毎月ちょっとずつご紹介します。
-No.6-
夏越しの祓
毎日を大切にして暮らそうと心がけても、だんだんと時が流れるスピードは増すばかり。そんな中でも節目を感じさせてくれる年中行事の良さに年々気付くようになりました。そのひとつに6月の終わり、わたしが大切にしている行事があります。「夏越しの祓(なごしのはらえ)」といいます。
1.夏越しの祓とは。
6月30日に全国各地の神社で行われる「夏越の祓」とは、1年の前半を無事に過ごせたことに感謝するとともに、半年間の罪や穢れをお祓いし、残り半年も清らかな気持ちで過ごせるよう願う神事です。多くの神社で自由参加となっているので、ぜひ足を運んでみてください。
茅の輪がある神社では茅の輪を八の字を書くようにくぐることができます。お子さまと一緒に楽しめますよ。
神社の茅の輪の様子
毎年子どもと一緒に6月30日の神社の神事に参加して、その後は和菓子屋さんに立ち寄り"水無月"を買って帰ります。
水無月というのはういろうの上に小豆をのせた和菓子です。小豆には魔除けの意味が込められているそうです。三角形の形は氷を模しています。氷を食べて夏バテ予防を祈願する、元々室町時代の宮中で行われていた行事でした。当時の庶民には高級品である氷の代わりとして、この水無月を食べるようになったそうです。そのいわれや願いを知り、夏越しの祓の後にいただくようになって、より美味しく、無事に半期が終わったことにほっとする良い時間になりました。お店によって味も異なり毎年家族で食べ比べる楽しみも増えています。
2. 夏越しの祓を暮らしのリズムに取り入れよう。
夏越しの祓という行事を知ってから、わたしはゴールデンウィークくらいから6月末までの間に、1年の後半を気持ちよく迎える準備に充てています。
夏の大掃除をするメリットは
・寒くなく動きやすく、風邪をひく心配が少ない。
・新学期から2ヶ月が経ち生活も落ち着いている。
・花粉もPM2.5も終わり、安心して一掃できる。
・暖かく湿気が多い時期は汚れも落ちやすい。
・年末と比べて時間的にも余裕がある。
・長い夏休み子どもと一緒に余裕を持って遊んで過ごせる。
・雨で散歩にも行けない日が多いので、家の中の過ごし方を有効的に使える。
3.大掃除をしよう。
温度も湿気もあり雨が続きじめじめする嫌な季節ですが、お掃除には向いています。コンロ周りなどの油汚れも落ちやすいですね。また、カビや食中毒が気になる時期でもあるので、水回りが清潔だと気持ちよく、安心にもなります。
わたしは、お風呂の清潔感を、香りでも楽しめるように、ミントのアロマオイルを洗面室に置いています。
べランダ掃除も今の湿度の高い季節は好都合がたくさんあります。
乾燥していないので花粉や埃が舞い上がることがありませんし、ベランダに水栓がないお家も、雨降りだと楽にできますね。雨に濡れても寒くないのも安心ですね。
梅雨の合間の晴れた日なら、ベランダで水遊び感覚で楽しく掃除ができます。子どもと水かけをして遊ぶくらいの気楽さでするのも楽しいです。
窓ガラス掃除ですが、寒くない時期に年4回くらいで簡単にするようにしています。
年末の大掃除でしか窓を拭かなかった、片づけが苦手だった頃は、窓用クリーナー機器や専用スポンジなど多種類を買い揃えてありました。そのため、あちこちに分散して仕舞い込み、グッズを探すところから始めていました。年1回だけの掃除のために、使い方を忘れて機器の取説を読むところから始めるためそれだけで疲れて、結局時間がかかることもありました。
その反省を踏まえ、今は窓掃除は水切りワイパースクイジーの1本のみで作業しています。これは、窓ふきだけですので、ベランダに置いています。
窓全面をワイパースクイジーで終わらせて、空拭きはほとんどしません。たまに角など気になるところだけ、マイクロファイバータオルでさっと拭きます。これは、キッチンで使って古くなったものを利用しています。
必要な時は家庭用洗剤(希釈タイプの万能のエコなものを使っています)で家の中の物を拭くのと同様の感覚で拭き掃除をします。
網戸はベランダのホースで、シャワー強めを当て、ワイパースクイジーのブラシ面でブラッシングするだけです。普段に使うほうきのようにワイパースクイジーを使うことで、専用グッズをたくさん使って完璧を目指すより、簡単にささっと、掃除ができるように気楽にして頻度をあげて、面倒くさがりのわたしを働かせるようにしています。↑水切りワイパースクイジーのイメージ
ついでに、部屋の床も綺麗に拭きましょう。今はカーペットを収納している時期なので、床掃除もしやすいですね。また、窓を開けている今の時期なら、ワックスを使っても臭いもこもりませんし、なにより拭いた綺麗な床でごろんとする楽しみもあります。
4. 備蓄食品のチェックをし、期限がわずかなものはいただこう。
備蓄食材に相応しいと選んだ長めの賞味期限でも、気が付けば期限が近づいている物もけっこうあります。美味しかったものは買い足して期限の近い物はいただきましょう。大掃除で疲れている時に、夕食を作るのは大変です。ローリングストックし備蓄食品の消費にもなって一石二鳥だと思います。
5.布物を清潔に一新しよう。
枕カバー、ハンカチ、下着、靴下、タオル、クッションカバーなどの日常消耗品の布物もチェックして全替えするタイミングとしています。
これらは少しずつ汚れていくので、古くなっていても家族はあまり気になりにくいものです。自分が古くなったなと気が付いた時は、もう相当ダメージがあることが多いです。
特に人の目に触れるハンカチは常に清潔感がある方がいいなと思っており、このタイミングで汚れているものをチェックして処分します。
また、お客様に使っていただくことが多い洗面のタオルなども、綺麗な状態が気持ちいですね。この時期を買い替えの目処にしておく。そうすれば、慌てて気付くこともなくなり何度もチェックすることもないので、暮らしが楽にもなります。
6.暮らしが清潔に整ったら、七夕のお願いを書いてみよう。
清潔に整ったらスッキリと清らかに念の後半を始めることができますね。それで終わりではなく、そのあとすぐの七夕までをわたしは一連の流れの節目としています。七夕の短冊に、今の自分の願いを書き綴ります。
綺麗な空間で今はどんなことが叶ってほしいのかな?と考える時間は自分の気持ちに向き合う時間にもなります。後半も素直に暮らすコツになります。よろしければ、今年はお子さまと一緒にわたしたちママも短冊に気持ちを書いてみましょう。
夏越しの祓という行事を知った数年前から、大晦日にするものだと思っていたことを、できるものは半年前倒すことにしました。
雨で家にいることの長い季節を機会と利用し、嫌悪していた温度と湿度が味方になることを知りました。家を隅々まで掃除し整える時間は、前半も家族が無事に過ごせたことに感謝する時間になります。暮らしに余裕ができ、いいことしかありません。暮らしが潤いました。
今年の前半もいろんなことがありましたね。我慢することも多かったことでしょう。
本当に、お疲れ様でした。後半も健やかに暮らせますように。
家を片づけると、生きるのが楽に、楽しくなります。掃除をすると家が好きになります。
夏越の祓えを上手く暮らしに活かして楽しんでいただけると幸いです。
著書『「好き」から始める暮らしの片づけ』(ワニブックス)
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はらむら ようこさん
生活デザイン研究室 こちらから整理収納サービスを重ねるにつれ、
「好き」から始まる暮らしの片づけ ワニブックス社から出版