今年の残りをアップデートでしめくくり。
2021.12.23
はらむらようこさんの暮らしの中から、整えていること、すっきりしたこと、そして気持ちがほっとしたこと、ときには新しい発見をみつけたことなど普段の暮らしで大切にしているエピソードを毎月ちょっとずつご紹介しながら一年間を通して、暮らしのヒントをご紹介いたしました。はらむらさんの連載最後は、1年を締めくくるお家全体のアップデートをご紹介いたします。
-No.11-
1年のおわりにアップデート2
1.まずは頭の中で!アップデートをしてみよう
頭の中でお家の中を思い浮かべて、アップデートの作業イメージをしていきます。今、ご自身は何が好きで何を選ばれるかを具体的に想像してみましょう。
(1) 頭の中でご自宅にあるモノすべて家の外に出し、空っぽにした空間を想像してください。
(2) 次に、外に出したモノすべての購入当初の金額を思い出して、その金額が手元に現金としてあると想像してください。
(3) 最後に、今家にあるモノで、もう一度同じ購入金額を払ってでも、買い戻したいモノはありましたか? もう一度買い戻したいモノだけを想像して家に入れ戻してみてください。現在同じ家具もしくは、似たものを他店から買うイメージでも良いです。
5分かけて、家中を見渡してください。再購入したいモノはいくつありましたか?あまり想像できない方や絶対この家財だけはと思うものが意外とないことに気づきませんか?!
「好き??」などではなく、改めて注目することもなく「あるから」と置いている物がどれほど多いかを実感されたと思います。暮らし向きも少しずつ変化します。今のあなたが大事にしたいもので大丈夫なのです。
今、自分が好きなモノを考えることは、どのように生きていきたいかとほぼ同じです。あなたはどんなモノゴトが好きな人ですか?あなたの好きなモノを再確認してみませんか。今の思考や嗜好が空間に現れるのは大変気持ち良く、自信になります。あなたらしさが伝わる空間は他の人へ安心ももたらすことができます。物を見直すチャンスにして、今の自分らしさを再発見することにわくわくして、今へアップデートしましょう。
(モノとは、一家の所有する家具・器具・衣類などすべてをイメージしています。)
■ 大物家具
大物家具などはフリマアプリを利用しています。買い手が決まると荷物引き取り時に運送会社さんが梱包までしてもらえるなど、アプリよっては便利なサポートがあるので十分に検討してください。(参考:メルカリ https://www.mercari.com/jp/tanomeru/)フリマアプリ以外でもリサイクルショップや買い取り業者などを厳選して相談しています。できればまた活用していただくことが望ましいので寄付も視野に入れて活用先を選択しています。
■ 小物
小物類も同じように、今大切なものを見つけて、手放すモノは、処分方法を検討します。例えば、綺麗な本は少しずつ図書館に、新品のタオルなどは老人ホームや保育園などに、新品はバザーをされている団体に持って行ったりもします。近くにパスできる先があるのは心強いです。
ランドセルは、子どもが小学校を卒業したタイミングにNPO法人にお願いして、海外の子どもたちに届けていただきました。
成長した子供服などのお下がりを知人友人に受けてもらう場合は、もらった方が負担にならない程度に気に入ったものだけ受けてもらっています。
エコな方法で循環させることと、手放すタイミングはやる気が揺らがない程度にしっかりみきわけてもよいとお伝えしています。
【アップデート中の注意点】
必ず、以下のことをお願いしています。
・続ける事 1日15分だけ。
・人(家族)の判断を尊重すること。人(家族)も自分も責めないこと。
[例]家族の物を勝手に捨てない、捨てろと言わない、本人が捨てようと決めたものに口を挟まない。
・もらったものを処分することを責めそうになったら、買ってくれた旦那さんにありがとうと伝えたり、もう着たくないと思えるファッションセンスを讃えて、これからはしっかり選んで使うものだけに心がけましょう。
・アップデートが終わったと感じるまでは、どうしても欲しいと熱望する物しか買い物をしないこと。
2. 自分の好きなことを家でやってみよう
家にいる時間を見直すことも、アップデートです。してみたいコトにあったらいいなと憧れる物も具体的に考えてみてください。
映画を見るのが好きと感じた方ならば、どのようにどれくらい映画が見たいかを考えてみます。例えば、ipadなどで1人ダイニングでお茶やお料理をしながらラジオのように好きな映画を繰り返し聞き流したいのか、ソファとテレビで家族みんなで団欒しながらのんびり見たいのか。
最も大切なのは自分がしてみたいことを実現させてあげようと思うことです。旦那さんや子どもが嫌がるかもと勝手に我慢しないでください。ほとんどの勝手な我慢は相手に相談してみればあっけなくいいよと言われたりする事が多いものです。
わたしはクッションに寝そべるようにリラックスして本を読むのが好きです。体勢がだらしないかと家族の前では遠慮していましたが、知らない間にわたしが読む姿を見よう見真似に娘も本をよく読むことに気付きました。
3.今好きなモノだけにするということ
物をたくさん捨てたり、新しい物に買い替えることをおすすめしているわけではありません。毎日忙しく忘れてしまった自分の今好きなモノが何かを見つけて欲しいのです。それは物と向き合い続けるうちに見えてきます。家があなたの好きなものだけになると、余裕がでて、自分にも人にも優しくすることができるようになり幸せな気持ちになるからです。
「好き」の定義とは、紛失したら泣きたくなるほど悲しい。見つかるまで何時間でも探す。もう一度同じものを買う。をレベルとしています。例えば「とても便利でよく使うんだけど、シンプルなものが好きなので、柄が賑やかで同じものを買う?かといえば使いきって手放すモノになりそう。」そんなイメージです。
好きなモノがみつかると、ずっと大切にされると思います。
4.既に満たされていたことに気がつくと。
アップデートをしてわたしにも様々な良い変化がおこりました。家事が楽になり、毎日家を美しいと感じ、買う物が少なくなり、家族の仲が良くなり、家が居心地よくなりました。何よりわたしが本当に良かったと思っていることは、既に持っているモノへの感謝をする機会になったことです。ご飯が美味しいこと、お仕事でみなさまと出会える事、お気に入りの服を着られること、夕焼けが美しいと風景を感じること。家族や友達に感謝できること。もったいないと物を詰め込むことに必死だった時には気づけなかった充足感がみつかりました。
おわりに
1年ブログを読んでくださりありがとうございます。日々お客様の現場での気づきを皆様にもお伝えしたいと思いながらも時間が取れずなかなかまとめることが出来ずにおりました。ブログとして1年続けて書くことができたのは、いつも面白かったとご感想をいただけたためです。この記事がみなさまの暮らしのヒントとして少しでも役に立てたら幸いです。
著書『「好き」から始める暮らしの片づけ』(ワニブックス)
コープこうべネットで見る こちら→
はらむら ようこさん
生活デザイン研究室 こちらから整理収納サービスを重ねるにつれ、
「好き」から始まる暮らしの片づけ ワニブックス社から出版